フラー神学大学の声明文

 フラー神学校(以下、「フラー」)と、地方教会ならびにその出版機関であるリビング・ストリーム・ミニストリー(LSM)の指導者たちは最近、二年間の長期にわたる対話を完了しました。この期間、フラーは諸地方教会の主要な教えと実行、特にリビング・ストリーム・ミニストリーによって出版されているウイットネス・リーとウオッチマン・ニーの書物に重点を置いて、徹底的な調査と検討を行ないました。この作業に着手した目的は、往々にしてこのグループに属する諸教会に関連する多くの疑問や非難を解明し、歴史的かつ正統的なキリスト教の光の中で、この二人の人物と地方教会の教えと実行を位置づけようとするものでした。フラーからこの対話に参加したのは、学長であり、キリスト教哲学の教授であるリチャード・モウ博士、神学部学部長で神学と倫理学の教授であるハワード・ローウェン博士、組織神学の教授であるヴェリ-マッティ・カルッカイネン博士を含んでいました。地方教会の代表は、ミノル・チェン、エイブラハム・ホー、ダン・トールでした。LSMの代表は、ロン・カンガス、ベンソン・フィリップス、クリス・ワイルド、アンドリュー・ユーでした。

 フラー神学校の結論は、地方教会とそのメンバーの教えと実行は、真正で歴史的で聖書的なクリスチャンとしての信仰を本質的な各面で表している、ということです。フラーが初めに直面した課題の一つは、その批判者たちによって通常示されているこの務めに関する説明が、務めの教えを正確に反映しているのかどうかをはっきりさせることでした。この点に関して、ウオッチマン・ニーとウイットネス・リーの教えについていくつかの団体で生み出された認識と、彼らの書物に実際に書かれている教えとの間に、大きな不一致があることをわたしたちは発見しました。とりわけ、ウイットネス・リーの教えはひどく歪曲されており、そのために、一般的なキリスト教団体、特に自分を福音主義者であると分類する人々の間で最も頻繁に誤解されてきました。わたしたちが聖書と教会歴史の光の中で公正に調査したとき、疑問視されていた実際の教えは重要で聖書的また歴史的根拠を持っているということが一貫して判明しました。ですから、彼らはキリストのからだ全体が注目し考察するのに値すると、わたしたちは確信しています。

 わたしたちが経過してきた過程を理解するにあたって是非とも注意していただきたいのは、すべての真のクリスチャンが信じている真正なキリスト者の信仰の本質的要素に対するこれらの諸教会の立場に、最初多大な関心が払われていたということです。信仰についての基本的な主張において明確な一致が確立された場合、その後に行なう、それほど本質的でない教えに関する対話や意見交換も、信者たちの交わりの範疇に適切に収まるとわたしたちは確信しています。この判定は、彼らの出版物を読むことと、フラーとこれらの諸教会また務めの代表者たちとの間の五回にわたるひざを詰めての会合での交わりを通してなされました。神、三一、キリストのパースンと働き、聖書、救い、教会すなわちキリストのからだの一と合一に関する彼らの教えと証しに関して、それらは明白に正統的であることをわたしたちは認識しています。さらに加えて、わたしたちは、彼らの信仰告白は信条の形式ではないものの、主要な信条と一致することを認識しています。またわたしたちは、リビング・ストリーム・ミニストリーの出版物に代表される教えを信奉している務めの指導者たち、また諸地方教会のメンバーの間には、カルト的な、あるいはカルトのような特徴を全く見いだすことができなかったと確信をもって言うことができます。ですから、わたしたちはためらうことなく、安心して彼らを真正な信者として、またキリストのからだの肢体仲間として受け入れることができますし、すべてのキリスト信者も同様に交わりの右手を彼らに差し伸べるよう、率直に勧めます。

 わたしたちが共に過ごした時間は、誠実で、開かれており、透明で、自由な対話を特徴としていました。わたしたちフラーの側が特別な関心をもって話題にした論題がいくつかありました。それらは、三一、神性と人性のミングリング、神化、様態論、「地方」教会についての彼らの解釈と実行、キリストの神聖な性質と人の性質、彼らの集まりの外側にいる信者に対する彼らの態度などです。わたしたちはこれらの領域を一つ一つ調査する自由を無制限に与えられました。あらゆる事例において、わたしたちが見いだしたのは、人々に広まっている見解が、実際に出版されている教えや地方教会の信者の信仰と実行とはかけ離れているということでした。

 この声明は、わたしたちがかかわってきた過程の全般的な概観と、わたしたちの総体的な結論に関心がある人たちに提供することを目的としています。この簡潔な声明に続いて、すでに述べた点と、それ以外の重要な神学的論題について、今まで以上に詳しい論文が今後、数か月の間に発表されることでしょう。地方教会とリビング・ストリーム・ミニストリーの代表者たちは、声明を書いて、彼らの教えに関して興味深い主要な点について、要約する形で概略を示すことに同意しました。意義のある調査と対話の結果、わたしたちが理解したことにしたがって、彼らの教えについてのフラーによる論評が提供されるでしょう。

2006年1月5日 
カリフォルニア州パサデナ市ノースオークランドアベニュー135 
フラー神学校 
神学部 
TEL 626.584.5300 FAX 626.584.5251 www.fuller.edu 

Dated: January 5, 2006
Fuller Theological Seminary
School of Theology
135 North Oakland Avenue, Pasadena, CA 91182
tele 626.584.5300 fax 626.584.5251 www.fuller.edu

英語原文はこちら→Statement from Fuller Theological Seminary

PDFファイルはこちら→フラー神学大学の声明文(和訳)